新潟県長岡市 長岡西病院/長岡医療と福祉の里の基幹病院/総合的な医療サービスを提供

診療のご案内:消化器疾患専門外来の開設について

消化器疾患専門外来の開設について

6月より火曜日午後に消化器疾患専門外来を開設いたします
担当 白部 多可史
  資格
   日本消化器病学会専門医 日本消化器外科学会専門医
   日本外科学会専門医   日本内視鏡外科学会技術認定医
   日本肝胆膵外科学会高度技能指導医
  役職
   日本内視鏡外科学会評議員 日本肝胆膵外科学会評議員
   肝臓内視鏡外科研究会世話人
 
*水曜日午前中と土曜日午前中の内科外来でも消化器疾患に関する相談をお受けいたします.

はじめに

近年の医学の発達は凄まじく, 今まで治療法や予防法が解明されていなかった病気の治療法や予防法が次々に確立されつつあります. このような医学の急速な進歩に医師が取り残されないためには絶えず新しい医学を学び続けることが重要ですが, 一人の医師が,あらゆる医学の最先端医療を熟知することは不可能と言わざるを得ません.それどころか,専門とする領域だけでも最先端の正しい医療を提供するためには不断の学習が求められる時代になっています.‟赤ヒゲ先生”が一人でなんでも対応できる時代は終わったといって良いでしょう.実際, 私が医学部で学習した医学知識と現在常識とされている医学知識の間には天と地ほどの開きがあり, 絶えず新しい知識を学ぶことなく日常診療にあたることは酸素ボンベを背負わないでスキューバーダイビングするようなもので, 医師としての自殺行為と言わざるを得ません.

現在の医師のほとんどは循環器専門医・神経内科専門医・糖尿病専門医・消化器外科専門医・・・など,何らかの専門性を持っています.もちらん,“かかりつけ医“として幅広い知識を有する医師は総合診療という専門性があると考えられることもできますが,実臨床においては, 総合診療としての幅広い知識だけではなく,専門医としての深い知識・経験の両者が必要とされます. 要求されるバランスは医師の役割により異なります.外来患者を対象とする“かかりつけ医“は, より総合診療の知識が求められますし, がんセンターのような専門医療機関では,専門性がより強く要求されます.どちらが良いとか,どちらが優れているとか言うことではなく,各々の立場で求められている医療知識・経験が異なるということです.各地にがんセンターが出来たころ, 癌の専門医しかいなかったためにがんセンターに紹介されたがん患者さんが,心臓が悪いので循環器医師のいる総合病院で手術を受けるように言われて元の病院に戻されたという笑えない話がありました.話が脱線してしまいましたが, 当院のような一般市中病院はかかりつけ医としての役割と領域専門医としての役割を同時に期待されています.

私は長きにわたり消化器外科医として多数の手術を手掛けてきたと同時に内視鏡診断・治療や肝炎の治療などの消化器内科的な治療も勉強してきました( 消化器外科学会と消化器病学会の専門医を取得しています). このような経験を活かして最新の知見に基づいた消化器疾患専門外来を開設させていただくことといたしました.

診療内容

内視鏡を用いた検査と治療

  1. 上部消化管内視鏡検査と治療
    日本人の胃がんのほとんどがピロリ菌感染をベースにして発生することが判明し積極的に除菌が行われるようになり, 600万人以上の方が除菌治療を受けたと推定されています.除菌の普及により胃がんの発病率は減少傾向に入りましたが, 最新の統計(2017年)でも臓器別癌死亡者数では胃がんは男性で1位, 女性で3位を占めています. 昔は外科手術以外の治療法はなく5mmの早期胃がんでも場合によっては胃全摘を行っておりましたが, 早期胃がんの一部は内視鏡による局所切除で十分であることがわかり, 内視鏡的治療(ESD; 内視鏡的粘膜下層剥離術)が行われるようになりました.当院においても同治療を積極的に実施していく方針です. 内視鏡的治療で根治するためには早期発見が重要であり, 最新型の内視鏡機器の導入を積極的に行って参ります. また, 早期発見のためには検診や人間ドックはもちろんのことちょっとした症状でも抵抗なく内視鏡検査を受けらけれるように内視鏡検査時の苦痛を軽減するために経鼻内視鏡検査にも力を入れていきます また切除不能の進行食道がんや胃がんで食事が食べられなくなった方に対しては従来のバイパス手術に代わる内視鏡でのステント治療も行っています
  2. 大腸内視鏡検査と治療
    大腸癌は胃がんと異なり罹患数・死亡数ともに男女を問わず増加しています. 便潜血検査は無症状のうちに大腸癌を見つけ出す有効な手段であり, 市の検診でも広く普及しています.大腸ファイバー検査は検査中の腹部膨満や腹痛で辛い目に遭われた方もいらっしゃると思いますが, 当科では鎮静剤の使用と熟練を必要とする無送気挿入法, 及び腹満の速やかな軽減のために送気ガスを空気から二酸化炭素へ変更するなどの対策で, 苦痛のより少ない検査を目指しています.  大腸癌はポリープから癌が発生することも多く, 内視鏡検査を定期的に受けることで内視鏡で治療できる早期がんの段階で発見される方が増加しています. また直腸がんによる腸閉塞患者さんに対して根治術前に一時的人工肛門を造設する代わりにステントで通過障害を改善し, より良い状態で手術が受けられるようにしたり, 末期がんの腸閉塞で人工肛門造設の代わりにステントを挿入してQOL (生活の質)の改善を目指すことも内視鏡で行うことが可能です 初めてで不安な方, 一度受けて二度と受けたくないと思っている方, 腸が長くて大腸を全部観察できなかったと他院で言われた方も是非ご相談ください.
  3. 胆道系内視鏡検査
    肝臓で出来た胆汁は胆管という管の中を流れて一旦,胆のうに運ばれ, 食事摂取により 胆のうが収縮して再び胆管を流れて十二指腸に分泌されます.胆汁の流れる通路である 胆管に結石や腫瘍が出来ると胆汁の流れが悪くなって黄疸や激しい上腹部・発熱が出現 します.胆管結石の除去や狭くなった胆管にステントと言われるチューブを挿入する などの内視鏡治療を実施しています. またアルコールを飲まないのに膵炎を繰り返している方の原因究明や治療に内視鏡 検査が有用ですし, 慢性膵炎で膵液の流出が不良となり痛みを繰り返している方の膵管 を減圧して症状を改善することも内視鏡で可能な場合があります

肝炎の治療

B型肝炎とC型肝炎は血性肝炎とも言われ, 主に輸血により感染し肝硬変や肝臓がんを引き起こす重篤な肝炎です.現在では原因ウイルスが特定され, 感染対策が普及し新規感染者は著しく減少しつつありますが, 罹患すると根治が困難で長い年月をかけて肝硬変・肝臓がんなどを引き起こす病気とされてきました. インターフェロンで完治した方もいらっしゃいますが,インターフェロンは奏効率が低く, 副作用も強いため効果は限定的で有効な治療法の開発が期待されていました.そして, 新薬の開発によりB型肝炎もC型肝炎も99%程度の高率で肝炎ウイルスの活動を封じ込めるようになっています.B型肝炎では完全なウイルス除去は出来ませんが, 継続的に薬を服用することでウイルスの活動をほぼ封じ込めることが出来るようになりましたし, C型肝炎では一定期間の適切な薬の内服でウイルスを完全に排除することが可能となりました.薬によるウイルス治療と予防対策で肝臓がんの死亡率は今後,急速に減少に向かうことが期待されています.  当科ではB型/C型肝炎の薬物治療とともに肝臓がんを出来るだけ早期に発見することで低侵襲な治療(ラジオ波焼灼治療)に力を入れていきたいと思っております

消化器疾患手術治療に関するセカンドオピニオン

外科手術の多くが腹腔鏡下に実施されるようになり手術も低侵襲化していますが, それでも臓器を大きく切除をしないで治す方法はないのか思われるのは当然のことです.消化器外科手術を勧められたが,他の医師の意見を聞きたいと思われた場合は現在かかっている医師にセカンドオピニオンを受けたいことを伝えて, 検査データを受け取って受診してください.腹腔鏡下外科手術のパイオニアの一人として,多数の消化器下手術を実施してきた経験をもとに最善の治療法を探すお手伝いをさせていただきたいと思います.

お知らせ

2019年6月より月2回のペースで専門としてきた消化器病疾患に関する医療講演と, これも力を入れてきた救急診療に関する医療講演を各1回ずつ皆様に提供していく予定です.

原則として毎月第2, 第4土曜日の12時~13時に院内の会議室で実施する予定です.

長岡西病院 地域医療講座のご案内 [PDF]

サイトマップ

CLOSE