新しいアルツハイマー病治療薬「レケンビ®」について
2023年12月に、新しいアルツハイマー病のお薬「レケンビ®(一般名:レカネマブ)」が発売されました。
これまでの薬とちがって、病気の原因とされるアミロイドベータというたんぱく質を脳から取り除くことで、症状の進み方をゆるやかにする効果が期待されています。
レケンビ®の治療が受けられる方
レケンビ®は、次の4つの条件をすべて満たしている方が対象です:
1. アルツハイマー病と診断されていること
脳脊髄液検査やアミロイドPET検査での確認が必要です。
2. 軽度認知障害(MCI)または軽度の認知症であること
(MMSE22点以上、CDR0.5以下)
認知機能の検査で、基準にあてはまっている必要があります。
3. 脳のMRI検査で、むくみや出血がないこと
4.2週間ごとに、付き添いの方とともに通院ができること
レケンビ®の働き
レケンビ®は、病気の原因とされるアミロイドベータが、かたまりになる前の「プロトフィブリル」にくっつきます。
そのあと、体の中の免疫細胞がアミロイドベータを見つけて取り除いてくれます。
こうして、脳の中のアミロイドベータが減り、病気の進み方がゆるやかになると考えられています。


治療の効果について
海外をふくむ研究では、18か月間治療を受けた方は、受けなかった方よりも症状の進み方が27%遅くなったと報告されています。
これは、進行を約5.3か月遅らせたことになります。
ただし、すでにある症状を良くする効果はなく、あくまで進行をゆるやかにする薬です。
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治療の受け方と事前検査について
まずは、地域医療連携室に連絡をしてください。
かかりつけ医がいる方は、そちらで相談してから、紹介を受けてください。
診察や検査を数回にわけて行い、レケンビ®での治療が可能かどうかを判断します。
アルツハイマー病かどうかを確認するため、アミロイドPET検査も必要になります。
PET検査は「長岡赤十字病院」で受けていただきます。
費用は22万円~24万円程度です。保険適用3割負担で約7万5千円です。
PET検査後、治療が開始できなかった場合でも、この検査費用はご負担いただきます。
費用は22万円~24万円程度です。保険適用3割負担で約7万5千円です。
PET検査後、治療が開始できなかった場合でも、この検査費用はご負担いただきます。
※検査のキャンセルについて
検査予約のキャンセルや変更は、お早めにご連絡をお願いいたします。
検査前日15時以降のキャンセルや、無断で検査当日に来院されない場合は、薬剤費用約22万円をご負担いただきます。
検査予約のキャンセルや変更は、お早めにご連絡をお願いいたします。
検査前日15時以降のキャンセルや、無断で検査当日に来院されない場合は、薬剤費用約22万円をご負担いただきます。
治療の流れ
治療は点滴で行います。
初回のみ2泊3日で入院し、それ以降は2週間ごとに外来で通院して点滴を続けます。
治療は通常、18か月間(1年半)続け、医学的に必要な場合は延長も可能です。
途中で何度かMRI検査を行い、安全に治療が続けられるか確認します。
症状や副作用の出かたによっては、治療を中止することもあります。
副作用について
レケンビ®には、主に次の2つの副作用があります:
1. 急性輸注反応(アレルギー反応)
頭痛、寒気、熱、吐き気などが出ることがありますが、薬で対応できます。
2. アミロイド関連画像異常(ARIA)
アミロイドベータを取り除くときに、脳の血管に負担がかかり、むくみや出血が起こることがあります。
ほとんどは無症状ですが、まれに頭痛やめまい、視力の変化などが出ることがあります。
このため、定期的なMRI検査が必要です。
治療にかかる費用
レケンビ®投与の自己負担額(月額 概算例)
69歳以下の方
70歳以上で 3割負担の方 |
年収 1,160万円以上 | 96,980円 |
---|---|---|
年収 770万円以上~1,160万円未満 | 96,980円 | |
年収 370万円以上~770万円未満 | 80,660円 | |
年収 370万円未満 | 57,600円 | |
住民税非課税者 | 35,400円 | |
70~74歳で 2割負担の方 |
年収 156万円以上~370万円未満 | 18,000円 |
住民税非課税世帯Ⅱ | 8,000円 | |
住民税非課税世帯Ⅰ 年金収入80万円以下など | 8,000円 | |
75歳以上で 2割負担の方 |
一定所得以上(課税所得28万円以上年金収入+ その他合計所得金額が単身約200万円以上、 複数320万円以上) |
18,000円 |
75歳以上で 1割負担の方 |
年収 156万円以上~370万円未満 | 18,000円 |
住民税非課税世帯Ⅱ | 8,000円 | |
住民税非課税世帯Ⅰ 年金収入80万以下など | 8,000円 |
※体重61-70kgの方をモデルにしています。体重によって費用は変動します。
この表はレケンビ月額薬剤費、外来診療費(2回)、点滴注射(2回)の概算費用です。
■色枠:高額医療費制度利用時
高額療養費制度を利用することで、窓口での費用負担が軽減されることがあります。
詳細は医事課へご確認・ご相談ください。
その他の注意点
- 条件に合わず治療が受けられない場合は、これまでの薬や生活指導などの診療に切り替わります。
- PET検査は「長岡赤十字病院」で行います。
- 2週間ごとの通院が難しい方や、MRI検査ができない体内機器がある方は治療できません。
お問い合わせ
長岡西病院 認知症疾患医療センター (地域医療連携室)
TEL/0258-27-8519(直通)
TEL/0258-27-8519(直通)
受付時間:月~金曜日 9:00~16:30 / 土曜日 9:00~12:00
本ページの一部コンテンツは、エーザイ株式会社Webサイト掲載資料(資材コード:LEQ1062)のPDFを加工し、エーザイ株式会社の許諾を得て掲載しています。
© 2025 Eisai Co., Ltd. All rights reserved. 無断転載・再配布を禁じます。
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